舞踊

幻式鎮魂三番叟 (15分(三部構成))
「とうとうたらり たらりら たらりあがり ららりとう」
唱えられる言葉の中で「翁」と面箱を持った「千載」が登場してくる。
清められた舞台の中で
千載が神を下ろし、翁が舞い、三番叟が鎮魂と再生を願い地を踏む。
東京幻堂 オリジナルの舞踊
唱えられる言葉の中で「翁」と面箱を持った「千載」が登場してくる。
清められた舞台の中で
千載が神を下ろし、翁が舞い、三番叟が鎮魂と再生を願い地を踏む。
東京幻堂 オリジナルの舞踊

幻式巴三番叟 (11分)
出典:東京幻堂オリジナル
千載が場を祓い清め、神々を迎え入れる。
地に降りてきた翁が舞い、天下泰平を願い、
地から呼び起こされた三番叟が地を踏み鳴らし、
鈴の段で種を蒔き、五穀豊穣を願う。
東京幻堂 入魂の作品。
地に降りてきた翁が舞い、天下泰平を願い、
地から呼び起こされた三番叟が地を踏み鳴らし、
鈴の段で種を蒔き、五穀豊穣を願う。
東京幻堂 入魂の作品。

長唄 操り三番叟 (8分)
地を祓い、天の神と地の神を呼び寄せる儀式的な踊り。
「操り」の名の通り、人形振りの趣向で披露。
「操り」の名の通り、人形振りの趣向で披露。
今昔舞踊劇
鶯宿梅 (18分)
出典:日本舞踊「鶯宿梅」より
春になり、鶯の訪れを心待ちにする梅の木。そこに現れたのは一羽のカラス。「まだ鶯を見たことがない」という梅の木を「自分こそが鶯だ」と言いくるめ、泊めてもらうことに。酒を飲み、気分良く浮かれ舞う烏のもとに、今度は正真正銘、本物の鶯がやって来て・・・
日本舞踊の中でもストーリー性の色濃い、ほのぼのとした作品。
日本舞踊の中でもストーリー性の色濃い、ほのぼのとした作品。
蚊相撲 (18分)
出典:狂言
相撲が大好きな大名が、相撲取りを雇おうと、太郎冠者に探しに行かせる。連れてきたのはなんと、人間に姿を変えた「蚊の精」。そのことに気づかない大名達は喜んで相撲を取る。が、案の定、血を吸われてふらふらに。正体に気付いた大名は、勝つ為にあるものを持ち出して・・・
子供も大人も楽しめる、有名な狂言作品。
子供も大人も楽しめる、有名な狂言作品。
松山鏡 (15分)
出典:落語、越後・松山の伝承
越後、松山の伝承。
27年間、両親の墓参りを欠かさなかった孝行者、太郎。
このことがお上に届き、褒美が出ることに。太郎の望みは金でも畑でもなく「死んだ父親に会わせてほしい」というもの。考えを巡らせた大名は「決して人に見せてはいけない」と、一つの箱を手渡した。太郎が恐る恐る箱を覗くと、そこには一枚の鏡が入っていたのだが・・・
当時、貴重品であった鏡を初めて見た里人たちが巻き起こす喜劇。だった頃のお話。民話「みやこ鏡」落語「松山鏡」を元にした、幻堂式松山鏡。
27年間、両親の墓参りを欠かさなかった孝行者、太郎。
このことがお上に届き、褒美が出ることに。太郎の望みは金でも畑でもなく「死んだ父親に会わせてほしい」というもの。考えを巡らせた大名は「決して人に見せてはいけない」と、一つの箱を手渡した。太郎が恐る恐る箱を覗くと、そこには一枚の鏡が入っていたのだが・・・
当時、貴重品であった鏡を初めて見た里人たちが巻き起こす喜劇。だった頃のお話。民話「みやこ鏡」落語「松山鏡」を元にした、幻堂式松山鏡。
叶ケ池 (15分)
出典:山梨県都留市伝承
都留を領していた小山田氏の城の、中津森の館の背後に湧き水の絶えない「叶ケ池」という池があった。
池には「旱魃になったら池に行って雨乞いをすると龍神様が雨を降らせてくれる」
という伝説があった。しかし、その雨乞いの儀式はとても変わっていたそうである・・・
池には「旱魃になったら池に行って雨乞いをすると龍神様が雨を降らせてくれる」
という伝説があった。しかし、その雨乞いの儀式はとても変わっていたそうである・・・

戸隠山の鬼女 (30分)
出典:紅葉狩より
かねてより信濃の国府を襲うという、戸隠山に棲む「紅葉」という鬼女を討伐するため、
平維茂が都より遠征してきた。
その戸隠山に到着してみると、紅葉のあまりの美しさにふと足を止めてしまう。
そこで出会った美しい姫君に、酒宴を共にと誘われ、断りきれずに座を共にしてしまう。
酔いつぶれ、眠ってしまった維茂に姫君が見せたその姿は・・・
平維茂が都より遠征してきた。
その戸隠山に到着してみると、紅葉のあまりの美しさにふと足を止めてしまう。
そこで出会った美しい姫君に、酒宴を共にと誘われ、断りきれずに座を共にしてしまう。
酔いつぶれ、眠ってしまった維茂に姫君が見せたその姿は・・・

おいてけ堀 (18分)
出典:本所七不思議
「錦糸堀で釣りをすると生きて帰れない・・・」
そんな噂はただの噂、と、一人の釣り好きの若者が度胸試しに錦糸堀で魚を釣った。
大漁で気持ちよく帰るその帰り道、一人の女に呼び止められる・・・
そんな噂はただの噂、と、一人の釣り好きの若者が度胸試しに錦糸堀で魚を釣った。
大漁で気持ちよく帰るその帰り道、一人の女に呼び止められる・・・

三善清行の宰相の家渡の話 (15分)
出典:今昔物語集
今は昔
善宰相と言う男がいた。
大変な学識者で、後に菅原道真を辞職にまで追い込むほどである。
ある日、この宰相が引越しを思いついた。
この男の目にかなう良い屋敷を見つけたので早速引っ越すと、その屋敷は実は有名な化け物屋敷だった。
毎夜様々な化け物が宰相を脅かすが、宰相は全く気にすることなく住み続ける。
困り果てた化け物の頭領がある夜、宰相に出て行ってもらうよう直談判に現れるが…
善宰相と言う男がいた。
大変な学識者で、後に菅原道真を辞職にまで追い込むほどである。
ある日、この宰相が引越しを思いついた。
この男の目にかなう良い屋敷を見つけたので早速引っ越すと、その屋敷は実は有名な化け物屋敷だった。
毎夜様々な化け物が宰相を脅かすが、宰相は全く気にすることなく住み続ける。
困り果てた化け物の頭領がある夜、宰相に出て行ってもらうよう直談判に現れるが…

くさびら (15分)
出典:大蔵流、和泉流 狂言
屋敷に、抜いても抜いても生えてくる巨大なキノコの始末に困っていた大名が山伏にきのこ退治を頼むのだが、やってきたのは「高名だ」と自己紹介する山伏で、退治の呪文を唱えるごとに、逆にキノコが増えていく。
困り果てた二人はついに逃げ出してしまう。
困り果てた二人はついに逃げ出してしまう。

花子 (20分)
出典:大蔵流、和泉流に伝わる 聟女狂言
夫、右京は、どうしても恋人である花子に会いに行きたいが、妻が恐くて出られない。そこで「一晩持仏堂に篭って座禅をする」と偽り、身替わりとして太郎冠者に座禅をさせて花子のもとへ。そこへ妻が様子を見に、持仏堂へ現れて…。
浮気者の夫が妻の目を盗んでこっそり恋人に会いに行く、という、いつの時代にも通ずるストーリーを、面白おかしく、雅に描いた舞踊劇。 歌舞伎「身替座禅」としても演じられている、狂言の大曲。
浮気者の夫が妻の目を盗んでこっそり恋人に会いに行く、という、いつの時代にも通ずるストーリーを、面白おかしく、雅に描いた舞踊劇。 歌舞伎「身替座禅」としても演じられている、狂言の大曲。
食わず女房 (15分)
出典:民話 甲信越〜中部東海
昔、勘助と云う、物惜しみをする桶屋がいた。女房に食べさせる飯も勿体無いと、独り者を貫いていた。
或日、美しい女が「妻にしてほしい」と訪れる。この女は「飯はいらぬ。しかし骨身を惜しまず働きます」との事。
勘助は願ってもないと喜んで妻に迎えたが、暫く一緒に暮らしている内、蔵の米や味噌が減っている事に気付く。
妻の仕業とにらんだ勘助は、出かけたと見せかけ留守中の妻の様子を覗き見た。するとそこでは・・・
或日、美しい女が「妻にしてほしい」と訪れる。この女は「飯はいらぬ。しかし骨身を惜しまず働きます」との事。
勘助は願ってもないと喜んで妻に迎えたが、暫く一緒に暮らしている内、蔵の米や味噌が減っている事に気付く。
妻の仕業とにらんだ勘助は、出かけたと見せかけ留守中の妻の様子を覗き見た。するとそこでは・・・
貧乏神と福の神 (15分)
出典:民話 山形県 寒河江
昔、ある村に、貧乏だがとても働き者の夫婦が住んでいた。
新年を迎える準備を済ませ、食事をしていた大晦日の晩、梁の上から泣き声が聞こえて来た。驚いた夫婦であったが、天井裏は寒かろうと、部屋に下りて来るように促す。姿を現したのは、この家に古くから住み着く貧乏神であった。
人の良い夫婦は貧乏神に酒や食事を振る舞った。其処へ働き者の夫婦に福を授けようと福の神がやって来るのだが・・・
新年を迎える準備を済ませ、食事をしていた大晦日の晩、梁の上から泣き声が聞こえて来た。驚いた夫婦であったが、天井裏は寒かろうと、部屋に下りて来るように促す。姿を現したのは、この家に古くから住み着く貧乏神であった。
人の良い夫婦は貧乏神に酒や食事を振る舞った。其処へ働き者の夫婦に福を授けようと福の神がやって来るのだが・・・
子育て幽霊 (10分)
出典:島根県 松江の大雄寺
ある小さな飴屋に、毎晩遅くになると、青白い顔をした着物の女性が現れ、水飴を買いに来る。
不思議に思った主人が女の後をつけて行くと、女は大雄寺の墓場辺りでふっと姿を消した。
その途端、墓の下から赤ん坊の泣き声が上がる。驚いた飴屋がその墓をあばいてみると、そこには飴を買いに来た女の亡骸と、元気な赤ん坊の姿があった。
赤ん坊の傍らには、女が買って行った水飴が置いてあった・・・
不思議に思った主人が女の後をつけて行くと、女は大雄寺の墓場辺りでふっと姿を消した。
その途端、墓の下から赤ん坊の泣き声が上がる。驚いた飴屋がその墓をあばいてみると、そこには飴を買いに来た女の亡骸と、元気な赤ん坊の姿があった。
赤ん坊の傍らには、女が買って行った水飴が置いてあった・・・

柳の精の譚 (10分)
出典:裏見寒話 第五巻「怪談」
甲斐善光寺に伝わる伝承。
甲斐善光寺金堂の棟木となった千年柳の精と、美しい娘との悲しき恋のお話。
戦国時代、高名な匠が信濃の善光寺にひけを取らぬ建物を設計したが、そのような立派な大木はなかなか見つからず、方々探しまわり漸く「中郡高畑村」に求める古木を見つけた。
この村には美しい娘がおり、夜な夜な通って来る美しい若者と幸せな日々を送っていた。
しかし或日、この美しい若者は突然、娘に別れを告げる。
その理由が・・・
甲斐善光寺金堂の棟木となった千年柳の精と、美しい娘との悲しき恋のお話。
戦国時代、高名な匠が信濃の善光寺にひけを取らぬ建物を設計したが、そのような立派な大木はなかなか見つからず、方々探しまわり漸く「中郡高畑村」に求める古木を見つけた。
この村には美しい娘がおり、夜な夜な通って来る美しい若者と幸せな日々を送っていた。
しかし或日、この美しい若者は突然、娘に別れを告げる。
その理由が・・・

かちかち山 (20分)
出典:山梨県民話
昔、甲斐の国に野良仕事に精を出している老夫婦がいた。
夫婦の畑には毎日悪い狸がやって来て、蒔いた種を食べてしまう。起こった翁は罠をかけ、この悪狸を捕まえ、家で待っている媼に狸汁にするよう申し伝える。しかし狸は知恵が回り、この媼を殺して「婆汁」を作り、狸は媼の皮を被って媼になりすます。そして翁に婆汁を食わせ、山へ逃げてしまう。
この話を聞いた老夫婦と懇意にしていた兎は、敵討ちを誓う。
先ずは一緒に芝刈りに行き、背負った芝に火打石を。かちかち、かちかち・・・
夫婦の畑には毎日悪い狸がやって来て、蒔いた種を食べてしまう。起こった翁は罠をかけ、この悪狸を捕まえ、家で待っている媼に狸汁にするよう申し伝える。しかし狸は知恵が回り、この媼を殺して「婆汁」を作り、狸は媼の皮を被って媼になりすます。そして翁に婆汁を食わせ、山へ逃げてしまう。
この話を聞いた老夫婦と懇意にしていた兎は、敵討ちを誓う。
先ずは一緒に芝刈りに行き、背負った芝に火打石を。かちかち、かちかち・・・

鬼の背に乗りたる男の話 (15分)
出典:宇治拾遺物語 世俗説話
昔、長年連れ添った妻を、新しい女が出来たからと、離縁した男がいた。
妻はショックのあまり物狂いとなり、死を迎えても腐りもせず、夜になると夫の名を呼び続ける。
その噂を聞いた男は、陰陽師の元に相談にやって来た。
陰陽師は良策をこうじるが、それには男自身が「恐ろしい思いをせねばならない」との事だった。
・・・そして四十九日の夜、鈴の音と共に重い沈黙が破られる。
妻はショックのあまり物狂いとなり、死を迎えても腐りもせず、夜になると夫の名を呼び続ける。
その噂を聞いた男は、陰陽師の元に相談にやって来た。
陰陽師は良策をこうじるが、それには男自身が「恐ろしい思いをせねばならない」との事だった。
・・・そして四十九日の夜、鈴の音と共に重い沈黙が破られる。
清徳聖の奇特の話 (15分)
出典:宇治拾遺物語
京都に実際にある「錦小路」の名前の由来となっている話。
母親の死から3年間、睡眠も食事も一切取らずに経を唱え続けた「清徳聖」と言う僧侶がいた。
母の成仏を見届けた聖は空腹に耐えかね、通りがかりに見つけた水葵を食べ尽くし、更には千人前、万人前の白米をも平らげてしまう。
実は聖のうしろには、夥しい数の魑魅魍魎や鳥獣の類がぞろぞろと従っていたのだった。
やがて、四条大通りの北側の小路で便意をもよおした聖は・・・
母親の死から3年間、睡眠も食事も一切取らずに経を唱え続けた「清徳聖」と言う僧侶がいた。
母の成仏を見届けた聖は空腹に耐えかね、通りがかりに見つけた水葵を食べ尽くし、更には千人前、万人前の白米をも平らげてしまう。
実は聖のうしろには、夥しい数の魑魅魍魎や鳥獣の類がぞろぞろと従っていたのだった。
やがて、四条大通りの北側の小路で便意をもよおした聖は・・・
安達ヶ原の鬼女 (20分)
出典:「奥州安達ヶ原黒塚縁起」
乳母として育てた姫を助けるため、自分の娘に手をかけてしまった岩手。
正気を失い人を喰らう鬼婆となった岩手のもとを、旅僧、祐慶が訪れる。
岩手は鬼婆であることを隠しつつ、己の罪業を祓い、魂の救いを求めるが…
能や歌舞伎の題材にもなっている福島県の伝承。
正気を失い人を喰らう鬼婆となった岩手のもとを、旅僧、祐慶が訪れる。
岩手は鬼婆であることを隠しつつ、己の罪業を祓い、魂の救いを求めるが…
能や歌舞伎の題材にもなっている福島県の伝承。

ろくろ首 (15分)
出典:小泉八雲 怪談
時は戦国時代。九州菊地公の家臣で、磯貝平太左衛門武連という侍がいた。
戦場で数々の武功を立てた名のある侍であったが、菊地氏滅亡により、髷を落とし「回竜」と名乗った。この回竜が初めての旅で甲斐の国を訪れた時のお話。
回竜が山中で夜を明かそうと横になっていると、其処へ一人の樵が現れた。野宿は危ないからと、樵の庵へ案内される。
夜半過ぎ、回竜が白湯を貰おうと樵達の元へ行くと、驚いた事に其処には首のない、身体だけが横たわっていた・・・
戦場で数々の武功を立てた名のある侍であったが、菊地氏滅亡により、髷を落とし「回竜」と名乗った。この回竜が初めての旅で甲斐の国を訪れた時のお話。
回竜が山中で夜を明かそうと横になっていると、其処へ一人の樵が現れた。野宿は危ないからと、樵の庵へ案内される。
夜半過ぎ、回竜が白湯を貰おうと樵達の元へ行くと、驚いた事に其処には首のない、身体だけが横たわっていた・・・

むじな (7分)
出典:小泉八雲 怪談
東京 赤坂通りにある「紀ノ国坂」にある晩、一人の商人が通りかかった。
すると、夜の闇の中ですすり泣く女の声がする。商人が声を掛けると「無くし物」を探していると云う。その無くした物とは・・・
すると、夜の闇の中ですすり泣く女の声がする。商人が声を掛けると「無くし物」を探していると云う。その無くした物とは・・・
和解 (10分)
出典:小泉八雲
昔、京の都に貧しくも仲睦まじい夫婦が住んでいた。
或時、夫に出世の話が舞い込み、夫は今の妻を捨て、家柄の良い新しい妻を迎えて遠国に旅立った。
しかし新しい妻との生活は旨く行かず、夫は昔懐かしい京に残して来たあの、心優しい妻の元へ帰る事にした。
家に着くと、人の気配がしない。しかし奥の部屋で小さな明かりが仄かに見える。恐る恐る覗いてみると、以前の妻が、以前と変らぬまま、縫い物をしていた。
或時、夫に出世の話が舞い込み、夫は今の妻を捨て、家柄の良い新しい妻を迎えて遠国に旅立った。
しかし新しい妻との生活は旨く行かず、夫は昔懐かしい京に残して来たあの、心優しい妻の元へ帰る事にした。
家に着くと、人の気配がしない。しかし奥の部屋で小さな明かりが仄かに見える。恐る恐る覗いてみると、以前の妻が、以前と変らぬまま、縫い物をしていた。
破約 (10分)
出典:小泉八雲
深く愛し合っている夫婦がいた。
しかし妻は不治の病に冒されており、今にも命の炎が消えようとしていた。
そして死の間際、巡礼の鐘と一緒に夫婦二人で植えた梅の木の下に埋めてくれるよう頼んだ。
夫は非常に嘆き悲しんだが、遺体を梅の木の下に埋め、決して後添えは取らぬと約束した。
しかし妻の死後、一族の繁栄を望む親類は、強く再婚を勧め、夫は已む無く
これを受け入れた。
そして婚礼から7日経った夜、梅の木の方から鈴の音が聞こえて来た・・・
しかし妻は不治の病に冒されており、今にも命の炎が消えようとしていた。
そして死の間際、巡礼の鐘と一緒に夫婦二人で植えた梅の木の下に埋めてくれるよう頼んだ。
夫は非常に嘆き悲しんだが、遺体を梅の木の下に埋め、決して後添えは取らぬと約束した。
しかし妻の死後、一族の繁栄を望む親類は、強く再婚を勧め、夫は已む無く
これを受け入れた。
そして婚礼から7日経った夜、梅の木の方から鈴の音が聞こえて来た・・・
因果の話 (10分)
出典:小泉八雲 奇談
さる大名の奥方が危篤に落ちた。
奥方は、自分が妹のようにかわいがっていた側室の一人、雪子にお気に入りの八重桜の下までおぶってもらう事と夫の大名の事を頼んだ。
雪子はいい知れない不安を感じたが、大名の頼みもあり、奥方の申し出を受け入れた。
奥方をおぶろうと背を向けた瞬間。
奥方は人とは思われぬ力で立ち上がり、雪子の両の乳房を鷲掴み、嫌な笑い声をあげてどっと笑い出した。そして雪子に倒れ込み、呪いの言葉を浴びせかけそのまま息絶えた。
呪いを浴びせかけられた雪子のその後の運命は・・・
奥方は、自分が妹のようにかわいがっていた側室の一人、雪子にお気に入りの八重桜の下までおぶってもらう事と夫の大名の事を頼んだ。
雪子はいい知れない不安を感じたが、大名の頼みもあり、奥方の申し出を受け入れた。
奥方をおぶろうと背を向けた瞬間。
奥方は人とは思われぬ力で立ち上がり、雪子の両の乳房を鷲掴み、嫌な笑い声をあげてどっと笑い出した。そして雪子に倒れ込み、呪いの言葉を浴びせかけそのまま息絶えた。
呪いを浴びせかけられた雪子のその後の運命は・・・

幽霊滝 (10分)
出典:小泉八雲
伯耆の国、黒坂村の麻取り場の女房達が怪談話をしていた勢いで、麻を賭けた肝試しをやろうと言い出した。
滝大明神を祀ってある祠の賽銭箱を取って帰って来るというものだ。
麻が欲しい「お勝」が買って出て、生まれたばかりの我が子を背負いながら凍る稲田の道を駆けて行く。
何とか賽銭箱のところまで辿り着き、賽銭箱に手を掛けようとしたその瞬間!!
滝大明神を祀ってある祠の賽銭箱を取って帰って来るというものだ。
麻が欲しい「お勝」が買って出て、生まれたばかりの我が子を背負いながら凍る稲田の道を駆けて行く。
何とか賽銭箱のところまで辿り着き、賽銭箱に手を掛けようとしたその瞬間!!

二人小町 (25分)
出典:芥川龍之介「二人小町」、謡曲「卒塔婆小町」
黄泉の使いに地獄へ連れて行かれそうになった二人の小町が、美貌を武器に嘘や色とで巧みに欺き地獄行きを免れるが、月日は流れ…
「通い小町」や「卒塔婆小町」などの謡曲を題材にした、芥川龍之介の作品。
「通い小町」や「卒塔婆小町」などの謡曲を題材にした、芥川龍之介の作品。
土蜘蛛草子 (40分)
出典:平家物語
全四場に分かれる舞踊劇。
第一場 北山蓮台野の場
源頼光と渡辺綱が神楽丘にて山歩きを楽しんでいると、突如、怪しげな髑髏が現れ、
飛び去って行った。二人は恐れもせず後を追うが・・・
第二場 源頼光御殿 病床の場
神楽丘の一件以来、病に臥した頼光の元へ、見知らぬ山伏が現れる。
実は、頼光らが神楽丘で討ち果たした妖物の主、土蜘蛛の精であった。
第三場 源頼光御殿 広庭の場
頼光と四天王達に従い、土蜘蛛退治に向かう従者達。
自らの手柄と出世を夢見て盛り上がるお気楽な一幕。
第四場 土蜘蛛退治の場
いよいよ頼光と四天王が土蜘蛛退治に向かう。
辿り着いた先にあった古塚を壊すと、中から土蜘蛛が現れる。
土蜘蛛と頼光・四天王が繰り広げる大立ち回りの一場。
第一場 北山蓮台野の場
源頼光と渡辺綱が神楽丘にて山歩きを楽しんでいると、突如、怪しげな髑髏が現れ、
飛び去って行った。二人は恐れもせず後を追うが・・・
第二場 源頼光御殿 病床の場
神楽丘の一件以来、病に臥した頼光の元へ、見知らぬ山伏が現れる。
実は、頼光らが神楽丘で討ち果たした妖物の主、土蜘蛛の精であった。
第三場 源頼光御殿 広庭の場
頼光と四天王達に従い、土蜘蛛退治に向かう従者達。
自らの手柄と出世を夢見て盛り上がるお気楽な一幕。
第四場 土蜘蛛退治の場
いよいよ頼光と四天王が土蜘蛛退治に向かう。
辿り着いた先にあった古塚を壊すと、中から土蜘蛛が現れる。
土蜘蛛と頼光・四天王が繰り広げる大立ち回りの一場。
戻橋 (15分)
出典:「平家物語 巻第十一 第百八句 剣の巻下」、「長唄 茨木」
平安中期。都では魑魅魍魎が跳梁跋扈していた。
魔物退治で忙しい主に代わり、渡辺綱が恋文の使いに出たところ、一人佇む美女と出逢う。
しかし、一条戻橋に差し掛かり、ふと水面に目を落とすと…
源氏秘蔵の太刀〈髭斬り〉が〈鬼斬り〉と呼ばれる切欠となった伝説。
魔物退治で忙しい主に代わり、渡辺綱が恋文の使いに出たところ、一人佇む美女と出逢う。
しかし、一条戻橋に差し掛かり、ふと水面に目を落とすと…
源氏秘蔵の太刀〈髭斬り〉が〈鬼斬り〉と呼ばれる切欠となった伝説。
綱館 (20分)
出典:「平家物語 巻第十一 第百八句 剣の巻下」、「長唄 渡辺綱館之段」
「戻橋」で鬼の腕を斬落とし退散させた綱の館に、昔懐かしい伯母がやってくる。
陰陽師に、七日間〈物忌〉で家の戸は開けるなと言われた綱であったが、世話になった伯母の懇願には適わず、伯母を家に入れてしまう。
酒も入り楽しいひと時を過ごしていた二人であったが、実はその伯母とは…
斬り取られた腕を取り戻しに来る〈茨木童子〉と、騙されながらも迎え撃つ渡辺綱の対決を描いた豪傑譚。
陰陽師に、七日間〈物忌〉で家の戸は開けるなと言われた綱であったが、世話になった伯母の懇願には適わず、伯母を家に入れてしまう。
酒も入り楽しいひと時を過ごしていた二人であったが、実はその伯母とは…
斬り取られた腕を取り戻しに来る〈茨木童子〉と、騙されながらも迎え撃つ渡辺綱の対決を描いた豪傑譚。

鵺(源頼政の鵺退治) (15分)
出典:平家物語 上巻 巻第四
三熊野詣の僧が、摂津の国蘆屋の里に着き、川岸のお堂で一夜を過ごそうとする。するとそこに舟に乗った、人影も定かでない舟人が現れる。旅僧は、そのただならぬ様子を不審に重い、舟人の名を尋ねる。
舟人は、近衛天皇の御代に、天皇を病に陥らせたところ、源頼政に矢を射かけられた鵺の亡霊と明かし、その時の有様を語る
舟人は、近衛天皇の御代に、天皇を病に陥らせたところ、源頼政に矢を射かけられた鵺の亡霊と明かし、その時の有様を語る

瘤取り翁 (20分)
出典:「宇治拾遺物語 第三話 巻一ノ三話」
あるところに、頬に桃のような瘤をつけた翁がいた。
翁がいつものように山ヘ薪拾いに出掛けたところ、急な雨に降られてしまい、雨宿りをしていると、林の奥から何やら楽しそうな騒ぎ声が近づいてきて…
右の頬に瘤を持つ、お酒と楽しいことには目がない「酒飲み翁」と、左の頬に瘤を持つ、真面目で人望も篤い「真面目な翁」の性格の悲喜劇。
翁がいつものように山ヘ薪拾いに出掛けたところ、急な雨に降られてしまい、雨宿りをしていると、林の奥から何やら楽しそうな騒ぎ声が近づいてきて…
右の頬に瘤を持つ、お酒と楽しいことには目がない「酒飲み翁」と、左の頬に瘤を持つ、真面目で人望も篤い「真面目な翁」の性格の悲喜劇。

博打打ちの息子の婿入りの話(顔良し) (15分)
出典:宇治拾遺物語 世俗説話
昔、ある博打打ちの息子で、人並み外れた醜男が居り、両親はこれをどうすれば世の中を人並みに渡らせられようかと、思い悩んでいた。
ある日、土地の長者が男前の婿を求めていると聞いた博打打ちは、息子を「またとない美男」と偽って夜な夜な通わせる事に成功する。
しかしいよいよ正式な婿として、昼間に顔合わせをしければならなくなった。
何としても婿入りさせたい博打打ちは一計を案じる。その一計とは・・・
ある日、土地の長者が男前の婿を求めていると聞いた博打打ちは、息子を「またとない美男」と偽って夜な夜な通わせる事に成功する。
しかしいよいよ正式な婿として、昼間に顔合わせをしければならなくなった。
何としても婿入りさせたい博打打ちは一計を案じる。その一計とは・・・

大井光遠の妹の強力の話 (15分)
出典:宇治拾遺物語
昔、甲斐の国に「大井光遠」という立派な力士がいた。光遠には美しい妹がいたが、なかなか嫁の貰い手がなかった。
或日、盗人が館に逃げ込んで来てこの姫を人質に立てこもった。
盗人の振る舞いに弱々しく顔を覆う姫君。
暫くすると、何処からか篠竹を潰し折る音が聞こえて来た・・・
或日、盗人が館に逃げ込んで来てこの姫を人質に立てこもった。
盗人の振る舞いに弱々しく顔を覆う姫君。
暫くすると、何処からか篠竹を潰し折る音が聞こえて来た・・・

猟師、仏を射る事 (10分)
出典:今昔物語集 仏教説話
人里離れた山奥に博識な僧侶がいた。
この僧侶は、最近、修行のお陰か「普賢菩薩」が象に乗って毎晩現れると云うありがたい現象が起こっており、寺の小僧も一緒に体験していると、信心深い猟師に語った。
猟師は「小僧に見えるのなら、自分にも見るのかも知れない」と、その寺に泊まり、夜を待った。
深夜深く、果たして普賢菩薩が猟師の眼の前に現れた。
しかし、信心深いが故に猟師はその普賢菩薩に矢を放つ!その真意とは?!
この僧侶は、最近、修行のお陰か「普賢菩薩」が象に乗って毎晩現れると云うありがたい現象が起こっており、寺の小僧も一緒に体験していると、信心深い猟師に語った。
猟師は「小僧に見えるのなら、自分にも見るのかも知れない」と、その寺に泊まり、夜を待った。
深夜深く、果たして普賢菩薩が猟師の眼の前に現れた。
しかし、信心深いが故に猟師はその普賢菩薩に矢を放つ!その真意とは?!
蕪 (10分)
出典:「今昔物語集 本朝部 第二十六巻 第二」
京から東へ下る旅の若侍が、ふとした拍子に心が乱れ、頭の中は女性のことでいっぱいに。
若侍は忽ち馬から降りると、大きく実った蕪をひとつ引き抜いた…
若侍が去った後、蕪の収穫にやってきた地主の一人娘が、畑の中に穴のあいた蕪を見つけ、やがて…
平安時代から語り継がれている、生命の不思議や宿縁を説いた話。
若侍は忽ち馬から降りると、大きく実った蕪をひとつ引き抜いた…
若侍が去った後、蕪の収穫にやってきた地主の一人娘が、畑の中に穴のあいた蕪を見つけ、やがて…
平安時代から語り継がれている、生命の不思議や宿縁を説いた話。

八岐大蛇 (25分)
出典:古事記
高天原を追放された素戔嗚尊が出雲の国、斐伊川の辺りに降り立つと、老夫婦が泣いている。訳を尋ねると、夫婦には八人の娘がいたが、毎年一人ずつ「八岐大蛇」と云う怪物に食べられてしまい、今年もまた八人目の娘櫛名田比売を食べに来ると云う。
これを聞いた素戔嗚尊は櫛名田比売と妻に貰う事を条件に八岐大蛇を退治しようと申し出た。そして八つの酒を満たした桶を置き、身を潜めていると、やがて八岐大蛇が現れ、酒を飲みはじめた・・・
これを聞いた素戔嗚尊は櫛名田比売と妻に貰う事を条件に八岐大蛇を退治しようと申し出た。そして八つの酒を満たした桶を置き、身を潜めていると、やがて八岐大蛇が現れ、酒を飲みはじめた・・・

鳴釜(桃太郎) (25分)
出典:古事記、岡山県伝承
凡そ二千年前、孝霊天皇の皇子であり四道将軍の一人【彦五十狭芹彦命】(後の吉備津彦命)が、勅令により吉備国を攻めた時の話。鳴釜神事の期限とされているこの伝説は、有名な「桃太郎」の元とも言われている。
彦五十狭芹彦は吉備国で出会った【犬飼部犬飼健】【猿飼部楽々森彦】【鳥飼部留玉臣】と共に、百済からやってきた鬼【温羅】を奮戦の末討伐する。
しかし首を刎ねられ髑髏になっても尚、温羅の呻き声は止まない。
そして十三年の月日が流れたある夜、吉備津彦の夢に温羅の亡霊が現れた・・・
彦五十狭芹彦は吉備国で出会った【犬飼部犬飼健】【猿飼部楽々森彦】【鳥飼部留玉臣】と共に、百済からやってきた鬼【温羅】を奮戦の末討伐する。
しかし首を刎ねられ髑髏になっても尚、温羅の呻き声は止まない。
そして十三年の月日が流れたある夜、吉備津彦の夢に温羅の亡霊が現れた・・・

黄泉比良坂 (30分)
出典:古事記
日本を作った伊邪那岐神、伊邪那美神がこの地に天下り、十四の島と三十五の神を生んだが、最後に火之神を生んだ時、伊邪那美が命を落とした。
愛する妻を失った伊邪那岐は、この火之神の首を刎ね、妻を追い、黄泉比良坂に向った。
そこで妻と再会を果たしたのだが、妻は黄泉の国の住人となっており、既に現世に戻れなくなっていた。しかし伊邪那美も愛しい夫の元に戻りたいと、黄泉神と論う、戻るまでは決して中を見ないでほしいと言い残し奥へ入って行く。
長い間待っていた伊邪那岐だったが、ついに待ちきれなくなり中に入ってしまう。
そこで伊邪那岐が見たものとは・・・
愛する妻を失った伊邪那岐は、この火之神の首を刎ね、妻を追い、黄泉比良坂に向った。
そこで妻と再会を果たしたのだが、妻は黄泉の国の住人となっており、既に現世に戻れなくなっていた。しかし伊邪那美も愛しい夫の元に戻りたいと、黄泉神と論う、戻るまでは決して中を見ないでほしいと言い残し奥へ入って行く。
長い間待っていた伊邪那岐だったが、ついに待ちきれなくなり中に入ってしまう。
そこで伊邪那岐が見たものとは・・・
語り
袈裟と盛遠 (18分)
出典:源平盛衰記
互いに恋に落ちた、袈裟御前と遠藤盛遠。しかし数年ぶりに再会した袈裟御前は、渡辺亘の妻になっていた…。
亘を殺そうと潜む盛遠、それを知りながら、夫の身代わりに殺される為、1人盛遠を待つ袈裟。2人の心の内に渦巻く感情を、それぞれの独白で描いた作品。
「源平盛衰記」19巻原案、芥川龍之介の王朝物の一つ。
亘を殺そうと潜む盛遠、それを知りながら、夫の身代わりに殺される為、1人盛遠を待つ袈裟。2人の心の内に渦巻く感情を、それぞれの独白で描いた作品。
「源平盛衰記」19巻原案、芥川龍之介の王朝物の一つ。
好色 (18分)
出典:今昔物語集、芥川龍之介
平安時代のプレイボーイとして名高い歌人「平貞文」、通称「平中」。ある1人の美女、「侍従の局」に惚れ込み恋文を出すが、一向に返事が来ない。プライドを傷つけられた平中は、彼女を振り向かせようとあれこれ策を練るうちに、どんどん侍従の手の内にのめり込んで行き、やがて、衝撃の結末を迎える・・・
今昔物語集「平貞文仮借本院侍従語」原案。芥川龍之介の「王朝物」と言われる作品。
今昔物語集「平貞文仮借本院侍従語」原案。芥川龍之介の「王朝物」と言われる作品。
羅生門 (10分)
出典:今昔物語集
舞台は平安京。都では災害や飢饉が続き、京の正門「羅生門」には、多くの死体が打ち捨てられていた。日暮れ時、門の下で雨宿りをする1人の下人。寝床を探し楼の上へ登ると、痩せた老婆が背を丸め、若い女の遺体から髪を一本一本抜いていた。下人は老婆に刃を向けるが・・・
荒廃した時代を生きる人間の葛藤を描いた作品。今昔物語集「羅城門登上層見死人盗人語」を基に、若き日の芥川龍之介が描いた「王朝物」の傑作。
荒廃した時代を生きる人間の葛藤を描いた作品。今昔物語集「羅城門登上層見死人盗人語」を基に、若き日の芥川龍之介が描いた「王朝物」の傑作。
※上演時間はあくまで目安です。
© 2014 TOKYOMABOROSHIDO.